AIが計画した登山ルートでハイカーが崖に取り残されヘリ救助される事態に
バンクーバー近郊で、Anthropicの「Claude」を使って山頂への別ルートを調べた16歳のハイカーが険しい岩壁で立ち往生し、ヘリコプターで救助された。救助隊は、大規模言語モデルには現実世界の地理や地形への理解が欠如していると警告している。

AIチャットボットが計画したルートを進もうとした16歳のハイカーが、バンクーバー近郊のクラウン山(Crown Mountain)で立ち往生し、ヘリコプターで救助される事態が発生した。
ブライス・ビンセント・ガウリルク(Bryce Vincent Gowryluk)氏は、Anthropicの「Claude」を使用して山頂への代替ルートを検索した。しかし、案内されたルートは歩行可能な登山道ではなく、専門的な登攀装備を必要とする切り立った岩壁「Widowmaker Arete」へと直接続いていた。ガウリルク氏は最終的に、幅わずか5フィート(約1.5メートル)ほどの狭い岩棚に取り残されてしまった。
ヘリコプターによるウインチ救助活動
自力で登ることも降りることもできなくなった同氏は地元警察に通報し、警察からボランティアの救助組織「North Shore Rescue」へと連絡が入った。
捜索救助隊はガウリルク氏の携帯電話の電波を追跡し、現場の山へヘリコプターを派遣した。救助隊員2名が岩壁のガウリルク氏の上方へと降下し、そのうち1名が岩棚までラペリングで降りて同氏を救助ポイントへと誘導。ヘリコプターの搭乗員がウインチで同氏を吊り上げ、無事に救助した。
実世界のナビゲーションにおけるLLMの限界
救助後、ガウリルク氏は今回の事態の責任は自身にあるとし、登山の準備にあたってGoogle MapsやAllTrailsも参考にしていたことから、すべてをClaudeのせいにするつもりはないと述べた。ただし、アウトドアのルート計画にAIツールを頼ることは二度とないと明言している。
今回の救助活動に携わった救助マネージャーのポール・マーキー(Paul Markey)氏は、バックカントリーでの移動にAIチャットボットを頼ることに警鐘を鳴らしている。マーキー氏は、Claudeのようなモデルは物理的な地形や特定の地理的位置を実際には理解していないと強調し、アウトドアでの経験や実践的な判断をAIで代替することはできないと訴えた。
Anthropicはこの件に関するコメント要請に対し、回答していない。



